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2017.10.04

黒木本店 蔵元見学記 (前編)

(前編)
1.はじめに
2.黒木本店と尾鈴山蒸留所について
(後編)
3.甦る大地の会
4.最後に

1.はじめに
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焼酎を飲んだことがある人なら「上の写真の焼酎のどれかは見たことがある」ほど、多くの有名銘柄を造っている黒木本店。製造規模が大きい蔵ではありますが、その随所にcraftmanshipを感じさせる、手造りの蔵でした。


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専務 黒木信作さん(1988年生まれ)
数年前に蔵を継がれ、昨年は『球』という和食・イタリアン・フレンチなど幅広い食事に驚くほど合う芋焼酎を造られました。今回の蔵見学は信作さんと、黒柳さんの御二方にしていただきました。

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2.黒木本店と尾鈴山蒸留所
すべて「黒木本店」というくくりで覚えられがちですが、実は「黒木本店」と「尾鈴山蒸留所」という二つの蔵に分かれます。


黒木本店    
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銘柄:㐂六、たちばな、
球、爆弾ハナタレ、中々、百年の孤独、野うさぎの走り

黒木本店では上記の焼酎が造られておりますが、中でも圧倒的な存在感を見せていたのは麦焼酎『百年の孤独』の貯蔵庫!貯蔵庫には様々なヴィンテージの樽が並んでおり、これをブレンドされたものが百年の孤独は誕生します。(年により、違いが楽しめるのもいいところです!)

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すでにインスタ映えするこの貯蔵庫ですが、今後はさらに「魅せる」ことを意識した新しい貯蔵庫に生まれ変わる予定だそうです。

もちろん、百年の孤独以外にも焼酎は造られており、今回訪問させていただいたときにはちょうど、㐂六の仕込が行われておりました!
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一次もろみの様子。この甕が並ぶ部屋に入ると、甘酸っぱい香りが広がっていて、なんとも言えない幸せな気分になります。


二次もろみ
ふつふつと発酵を続けるモロミからは、甘く官能的な青りんごやバナナ、ケーキを思わせる香りが漂い、全身の力が抜けるようでした。甕ごとに発酵日数が異なっていましたが、そのどれもが似ているけど明らかに違い、「酵母が中で頑張ってるんだな~」と思わせるようでした。



黒木本店を後にし、続いて尾鈴山蒸留所へ
黒木本店から車で30分ほど走ったところにある尾鈴山の中に、蒸留所は位置しています。


尾鈴山蒸留所
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銘柄:山ねこ、山猿、山翡翠、天嵐坊
特徴:

・全量手麹
・木桶仕込
・仕込み水は尾鈴山を流れる水(超軟水)
・「酵母の蔵」と「人の蔵」

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山の中にひっそりとある尾鈴山蒸留所。
見た目はどこかウィスキー蒸留所のような、あるいは密造酒をつくる海外の蒸留所のような、とても雰囲気がある建築でした。

この尾鈴山蒸留所には蔵建物がふたつあり、「微生物の蔵(麹造り、一次・二次発酵)」と「人の蔵(蒸留)」と機能ごとに分かれています。
(この蔵の呼び名は正式なものではありません)

<微生物の蔵>
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間接照明でシックにまとめ上げられた微生物の蔵は、しーんとした静けさがありました。

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木桶に使われている木は、宮崎県日南市の飫肥杉(おびすぎ)。お水だけでなく、こうしたところにも地元性が表れています。

<人の蔵>
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一方で「人の蔵」には自然光が入り込み明るい雰囲気に。ここで蒸留された焼酎は、近くの貯蔵庫へと運ばれ、2年以上寝かされた後、出荷されます。まろやかな口当たりなのも、この貯蔵あってこそ。

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貯蔵庫へ歩くと、すぐ横に流れる川の音が涼し気

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ぎっしりと並ぶタンク。こうした幅のある貯蔵(製造方法が全て一緒なわけではない)があるからこそ、ブレンドしたり、ベストタイミングを見て出荷することができ、毎年おいしい焼酎を送り出せるんだなーと納得。


一通り見せて頂き、一休み



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冷えた仕込み水。超軟水でまろやか。美味ひ・・・。

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お水を飲みながら見える風景。蔵にテラスがあることもお洒落でしたが、置いてあるものも絵になり過ぎて、焼酎蔵にいる気がしませんでした(笑)


ここまでの前編では、蔵の施設、自然環境などをお伝えいたしました。後編では、黒木本店が取り組んでいる循環農法についてご紹介いたします。

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